第18章 買いし者(●)
『い、いや……やめてぇぇぇ!』
オレグが腰の動きを早めリサは暴れるが、片手で両手を掴まれ腰も掴まれて動けなくなる。
『リサ!…クソッたれが!!』
ドンドンドン!
『何だ…?良いところだったのに。ルームサービスなんか頼んでないぞ?リサ、ベッドに戻るんだ。妙なことは考えるなよ』
リサをベッドに放るように寝かせオレグはガウンを羽織る。リサは隙を見て自分もガウンを羽織った。
『リヴァイさん!私は大丈夫です!!も、もう…そんな事は止めてください!』
『無理な願いだな!お前を連れて帰る…必ず…約束だ!』
『リサ!勝手にそいつと話するな!!』
ビクっとリサは体を震わせるが、リヴァイの強い言葉に涙が流れる。
―――――リヴァイさん、好き…大好き…
最低最悪な状況なのに想いが溢れる。
こんな淫乱な姿を晒してしまっているのにリヴァイは変わらずリサを大事にしている。
疼きたくないと思っていたのに、リヴァイの一言だけでこんなにも熱くなってしまう。
『ふんっ。後でまた狂わせてやる』
オレグは鼻を鳴らして未だにドアのノックを続ける方向へと向かう。
『おい、俺はルームサービスなんか……――』
『―――――?!』
リヴァイは咄嗟に死角に隠れた。
『オレグ・ロヴォフだな。我々は中央第一憲兵だ』
ユニコーンの紋章の背中に背負った数名の憲兵団がオレグの目の前に並ぶ。
『はっ?!なんで憲兵のやつらがこんなとこにいるんだ?野暮なことするなよ!』
扉を閉めようとすると、扉を掴まれ強引に押し入る。
リサはベッドのシーツを体に巻き、その一部を見ていた。
『オレグ・ロヴォフ、貴方に逮捕の要請が出た』
1人の憲兵が懐からひらりと紙を取り出し見せる。
『数年に渡る脱税、我々が詮索しにくい地下街での娼館を買収し、そこを金の隠し場所にしていた。ここの店長を詰め寄ると口を割りました。そして、貴方が関わっている違法ドラッグ。地下街で使われていた物が地上にも出回ってるとのことです』
リサは目を丸くして、只々ベッドの上で眺めていた。