第18章 買いし者(●)
『リ――…!』
思わず声が出そうになるリサにリヴァイは自分の口に人差し指を当てシーっと落ち着いた目線を送る。
それを見たリサは自分の口を押さえる。
『リサどうした?水は飲めたのか…?』
『あ、いえ!今から頂きます!』
リヴァイにセクシーな下着姿を見られたことに動揺するよりも、目の前にリヴァイがいることに驚きを隠せない。窓の前にあるデッキテーブルの上のデキャンタに入った水をグラスに波々と入れ、一気に飲み干す。
ちらりとリヴァイの方を見やると、ジェスチャーで窓の鍵を開けるように指示をしている。
窓は防音を兼ねて分厚く、無理やり壊して開けるのは困難そうだった。
『(今なら鍵を開けれそう…)』
オレグはワインを飲んでいて気づいていない。
リサはリヴァイに頷くと鍵を開けようと窓に手を伸ばす。
――――ドクンッ
『あっ……』
『リサ!?……何が起きた!』
リサが伸ばした手はずるりと下がりその場でへたり込む。見えにくくなったリサの姿を探そうとするが角度が悪い。
リヴァイはふと水を目視する。
『…水か!!あのクソ野郎…何か入れやがったな』
『はははっ。いつもリサは咥えた後、水を飲むからね…。水に今地下街で流行ってる薬を混ぜさせてもらったよ。地上じゃ使えないようなものだ…』
『うぅ…あ…っ』
だらりとしたリサの身体を抱えオルグはベッドへ寝かせる。
リサの顔は紅色していて息も上がり汗もかいていた。
その姿を見たリヴァイはゾクリと背筋が凍る。
『声があんま聞こえねぇが…まさか…媚薬か?!』
『リサ、今夜はいつも以上に楽しもうじゃないか…。君がいけないんだよ、項なんかにキスマークをつけていたんだから…』
リサの顔を横に向け、オレグは薄くなった項のキスマークを爪でカリッと引っ掻いた。