第14章 交わらない思い
『私と付き合ってくれるんでしょ?…ちゃんとキスして。……じゃないと…知らないよ?』
ローザは指2本でリヴァイの顎を触り唇に触れる。
軽く舌打ちをするとローザの腕を掴み乱暴に口付けた。
『ん…。やっぱり、リヴァイはこうでなくっちゃ。今、アジト誰もいないんでしょ?……リヴァイの部屋行こうよ…』
リサが走り去った方を見つめたあと、リヴァイは分かったとローザと階段を上がっていった。
『リヴァイ、気持ちよくしてね?』
リヴァイは何も言わない。
ゆっくり上がるローザはクスクスと笑っていた。
『リサ!待ってくれ!俺と話してくれ!』
追いかけていたファーランはリサの腕を掴むと勢いで抱きしめる。
全力で走っていたリサは肩で息をしていた。
乱れた髪の毛を直してやろうと髪に触れながら、落ち着くまでファーランは待つ。
『…私、リヴァイさんに恋人がいるなんて知りませんでした。いつからのお付き合いなんですか?』
『つい最近だ。フォローするわけじゃないけど…リヴァイはそんな気さらさらないよ。今のリヴァイを信じろっても説得力ないだろうけど…あいつはリサが大切なんだ。だから…リヴァイを信じてやってくれ』
『…信じるも何も最初からリヴァイさんは私の恋人ではないですよ。リヴァイさんは独りの私に親切にしてくれただけです。私には勿体ない人です』
抱きしめていることにも動揺することなく、リサはファーランの腕の中にいた。
それぐらい今のリサには衝撃的で1人では対処出来ないぐらいの出来事であった。
好きだと伝えたわけでもない。
好きだと言われたわけでもない。
住む世界が違うのだから一緒になれない。
本当の自分を見て嫌われるぐらいなら何も伝えたくない。
ガサッ
『あっ…』
リサが抱き抱えていた紙袋が落ちる。
『ご、ごめん。荷物持ってたのに抱きしめてしまったな…』
ぐしゃりとなった紙袋を拾い上げ申し訳なさそうにリサに渡す。
『いえ。。おかげで少し落ち着きました。私、どっちにしてもコレをお渡ししてリヴァイさんと距離を置こうと思ってたんです。ファーランさん、代わりに渡して頂けませんか?』
『……わかったよ。俺がリヴァイに渡しておく』