第12章 繋がり(●)
リヴァイはリサを抱きしめて、リサの呼吸が落ち着くのを待つ。
『リヴァイさん…どうしてなんですか?』
『……何がだ?』
リヴァイは乱れたリサの服を整えてやり、リサは気づいていないが、リヴァイが付けた首裏のキスマークを隠すようにリサの髪を後ろに流す。
隠れた首裏をそっと撫でるとリサはビクッとなった。
『さ、さっきも言いましたけど…あの、何で…』
『あぁ、その話か。すまん、忘れてたな』
覚えてたでしょ…とリサは頬を少し膨らますと、リヴァイの親指と人差し指で萎まされる。
『私がリヴァイさんに抱かれる殆ど、いい女じゃないからですか…?玩具ですか?胸はないし…』
『違う!』
間を入れずにリヴァイは声をあげる。
『…リヴァイさん、じゃぁ何なんですか。イザベルが言ってましたよ、リヴァイさんは私を大切にしてるって』
『あぁ、俺なりに大切に考えてる』
『私、心が満たされません…。こんなに触れられる距離なのに心が遠いです』
ギュッとリサはリヴァイの手を握る。
リヴァイは暫く黙っていたが、リサの目を見る。
『―――俺は、お前の男じゃ……ねぇ』
『―――――!!!』
『…いや、違う…説明しにくい…』
リサを見てリヴァイはハッとした。
大きな瞳からポロポロと涙を流している。
こんな悲しそうなリサは見たことがなかった。
『分かりました。リヴァイさんの事も考えず、はしたない事を言ってすみませんでした』
深くお辞儀をするリサにリヴァイはその場から動けずにいた。
お辞儀から顔を上げると涙を溜めたまま笑顔になる。
『リヴァイさん、帰りましょう!今日はありがとうございました。少し歩きたいので、家まで送っていただかなくて大丈夫です』
『リサ、待て!さすがに1人じゃ危ないだろうが!』
『大丈夫、そんなに遠くないので…。それから…、リヴァイさんのお仕事も忙しいですし、暫く来ていただかなくて結構です。イザベルにもお伝えください』
軽く会釈してリサは歩き出す。
『リサ…!』
リヴァイが呼び掛けるもリサは振り返らずに歩いた。