第1章 陽の当たらない場所
『まて!このヤロー!!俺達の食糧返しやがれ!』
『うるさい!お前たちも腹空かせたこども達から奪ったくせにさ!!』
べーっと下を出しながら挑発をするイザベル。
体力がないわけではないけど、さすがにこのまま全力で走り続けるのは無理がある。
リサはどこか隠れた方が早いんじゃないかと思い辺りを見渡していると、
『おい、お前何してやがる』
『やーっぱ、立体機動装置調子悪くなってるじゃねえか』
頭上から声が聞こえたと思ったら、一瞬で足が地上から離れた。
『わ、わわわっ!』
『兄貴!ファーラン!』
目を更に大きくさせて嬉しそうにイザベルは自分を抱えてる方を見てファーラン、リサを抱えてる方を兄貴と呼んだ。
『追いかけてる奴等も立体機動装置には付いてこれねぇだろ。おまけもいるが、まぁいい。このままアジトへ向かう』
兄貴と呼ばれている三白眼の男にジロっと見られ思わずヒッ!と声がでる。
『リサ~大丈夫だって!兄貴眼つきこんなんだけど、こう見えて結構優しいんだぜ!』
グっと親指を立てながら白い歯を見せるイザベル。兄貴と呼ばれた男は、フンッと前を向き直し4人はアジトへと飛んで向かった。