• テキストサイズ

Blue Star【進撃の巨人:R18】

第53章 おかわりは2人で


『なんだか・・・落ち着かねぇな』

リサと別れてからのリヴァイは用意されていたお茶菓子に手を取る。
地下の粗茶とは違う芳醇な香りに思わず、ほぉ・・・と声が出た。
焼き菓子も貴重な砂糖やバターが使われていて紅茶によくあう。
美味い紅茶をリサと飲みたいと思いながら、目の前の開かずの扉を待つ。

『まるで閉じ込められてるようなものだ』

書物庫のように本棚が並び、暇つぶしとばかりにタイトルに目を通すと装飾関連の本、経営関連のもの、植物に関する本もあった。
リヴァイは植物の本の棚を見ると思い出す。
リサのハンカチにあった刺繍の植物。地下は植物がほとんど生えていない殺風景なところでは同じ花を見たことはない。
刺繍をする為に植物の本があるとするならきっとリサが知りたいあの植物も載っているはず。

『これは・・・なかなか骨が折れそうだ』

分厚い本がずらりと並びリヴァイは腰に手を当てる。と言っても、ぼーっとするのは性にあわないので1冊本棚から抜き取る。
時間は有限。
リサの為に地上へ上がってきたのだから、リサの為に何かしてやろう。
ドンっと鈍器のような分厚さの本を置き、リヴァイは頁を開くことにした。

***

『・・・名前が分からねぇとこんなにも探しにくいのか・・・』

花の名前の順番に並んでいるそれ。
そして花に疎いものだからどれも似たような花に見えてしまう。細部まで細かく刷られているとはいえ、元々興味が薄い分野。
このままでは埒が明かないと探す方法を変える。

『色別に載った本はないのか?・・・あるじゃねぇか。たしか・・・青・・・だったか?』

青や紫色の花が載ったを手に取る。最初に取った本よりも少し薄く、ホッとしてしまう。
それでも数百以上の種類がある。
地下にいれば仕事以外の調べ物は後回しになるが、これもまたいい機会。

リヴァイは色で探そうとするが、これはこれで大変な作業であることを数分後に理解することとなる。
/ 353ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp