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Blue Star【進撃の巨人:R18】

第50章 それもまた貴方


自分の家からアジトまではそう遠くない。

小さな手提げを持っているだけで、重い物などない。

ありがたい事に靴を履いている。


『アジトへ行くのにこんなに足取りが重いなんて・・・』


体力に自信があるリサは走る。

アジトへ行けばきっとリヴァイは帰ってきている。


──そんな息乱してまで走ってんじゃねぇ

そう言って、不器用な笑顔を見せてくれる。



タンタンタン・・・


何度も登った階段を上がる。



胸に手を置き、呼吸を整える。短い呼吸から始まり、ゆっくりとした大きな呼吸に変わる。


ノブを触ると鍵は空いている。


『・・・リヴァイさん・・・帰ってます・・・か?』

数センチほどだけ扉を開け、覗き込むように部屋を見渡す。少し薄暗い部屋は誰かがいる気配がしない。




『おい・・・』





『ひゃぁ!!』




リサの背後からリヴァイは声を掛けると、肩に手を置く。逆にビックリするぐらいの反応にリヴァイはすぐに手を離す。



『良かった・・・リヴァイさん帰って来て・・・っえ・・・?』


『・・・リサ』


笑顔でおかえりなさい!とリサは言うつもりで振り返る。緩むはずの目元は丸くなる。
胸が締め付けられるのは愛しさのせいではない。
ドクンと大きく鳴るのは・・・恐怖。
何も言えず口元を押さえた。




『俺が・・・怖いか?悪い・・・シャワー浴びてから会うつもりだった』



リヴァイは返り血を浴び、白いシャツは赤く染まり黒ずんでいる。手の甲で頬を拭うとリヴァイの甲は赤くなり、チッと舌打ちした。

血を見たことが無いほどのお嬢様ではない。
リサは地下で嫌と言うほど見てきた、血の跡。

オレグの時もリサを守るために憲兵を傷付けていたのを見た。

それなら、何故今のリヴァイを見てリサは恐怖を感じたのか。

返り血の多さ・・・臭い・・・それだけではない。


『・・・リヴァイさん、もしかして・・・人を殺したんです・・・か?』


『・・・・・・・・・あぁ』



リサは、恐怖の先を理解した。

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