第48章 嫉妬の罰
お日様が当たることの無い地下街なのに、ホッとする温もり。ふわりと雲の上のような夢心地。
立体機動装置のような風を切る速さではない。
ゆるやかでいて、全身を優しく撫でているよう。
優しく下ろされ、頬には愛しい気持ちが流れ込む。
『リサ』
低くて優しい声。
『リサ』
今度は額に何かが触れる感触がする。
『・・・起きる気ねぇのか?』
少し、拗ねたような・・・だけど愛しい人の声。
『・・・リヴァイさん?』
『ようやく起きたか。まぁ、心身ともに疲れていたから仕方ないな』
リサは寝ぼけた眼差しでリヴァイを見上げる。さらに周りを見渡せば、そこはリヴァイの自室だった。あの温もりやふわふわした気持ちはリヴァイが自分を運んできてくれたものだと、リサはやんわりと理解する。
『すみません。私、随分と寝てました?』
『いや、構わねぇ。夜も更けたし、今日は俺の部屋に泊まっていけ。いいな?』
『お世話になります。あ、じゃぁ・・・ファーランさんとイザベルに一言話を・・・』
『いや、アイツらは俺の頼んだ仕事に出掛けたから今はいねぇよ』
『そうですか・・・。まだ私から何も伝えれていないので』
『気にすることない。明日にでも話せばいい』
リヴァイはそういうとリサの寝ているベッドに入る。
『え?え?リヴァイさん?』
『あ?リサ、まだ寝るんだろ?』
『え、えっと・・・あ!私、シャワーまだなので!このまま一緒に寝るのは申し訳ないというか・・・』
中途半端に身体半分だけベッドに入ったままのリヴァイは少し眉間に皺がよる。
リサは綺麗好きのリヴァイの横に汗や埃が付いたような自分の横に来てもらうのには気が引けた。
気にしない、気にしますの攻防を続けているとリヴァイから先に折れる。
『頑固なやつだ・・・。なら、シャワー浴びてこい』
『はいっ』
『・・・その代わり、俺も入るぞ』
リヴァイは楽しそうな口調で言うものだから、リサは何かを察するように顔を赤くした。