第45章 探し物
『リヴァイさん!身だしなみOKです!』
『これのどこがOKだ?ボタンはきっちり上まで留めろ』
鏡の前でブラウスの皺を延ばし、髪の毛も邪魔にならないようにまとめる。
リサは腰に手を起き意気揚々と構え、鏡越しに見えるリヴァイにも確認するが光の如くダメ出しを食らう。
あまりの早さに口を尖らせていると、リヴァイは軽くため息を付きながらリサの傍による。
『・・・鎖骨が見えている。他の男を誘惑するつもりか?』
『えぇ?!そ、そんなつもりありません!上まで留めると少し苦しいかなぁと思いまして・・・』
『ほぉ・・・。そういう抜けた発言していると何されるか分からねぇぞ?リサには嫌でもボタン留めさせねぇとな』
リヴァイは両手でブラウスをぐいっと広げると、鎖骨に口付ける。チリッとした痛みを感じていると、これで良しとリヴァイの体が離れた。まさか!とリサは体を反転して鏡で確認をすると、紅い印が際立っている。
『これならブラウスのボタンは上まで留めなくていいぞ』
『・・・・・・留めます!!』
恥ずかしそうに留めるリサにリヴァイは今となってはボタンに関してはどうでもいい。
きちっと留めれば何も見えないし、留めなくてもマーキングが出来ている。
こんな事なら昨晩、もっと付けるべきだったな・・・とリヴァイはリサを見下ろしていた。
『リヴァイさん、行ってきます!』
リサは立体機動装置をカチャカチャと音をさせながら歩く。そして顔が分からないようにローブの帽子を深く被った。
『あぁ、気をつけろよ。立体機動装置はローザが居た店のところに置かせてもらえ。その為に予定より早く行くのだからな』
『承知してます!・・・出来るだけ早く帰りますから。リヴァイさんも気をつけてアジトに戻ってくださいね』
『リサが戻ってくるのを待っている。・・・アジトでな』
リヴァイの言葉を聞くとリサは目を輝かす。今いる自宅ではなく、リヴァイ達のいるアジトに”帰る”ということ。リサのもう1つの家だ。
ほら・・・とリサの背中を押すとリサは1つ返事をすると飛び立つ。
リサが見えなくなるまでリヴァイは静かに見送った。