第43章 迎え
『リヴァイさんが・・・ここに居ていいって言ってくれるなら私はいます。だって・・・私にはここが家だから』
『そうだな、ここがリサの家でもあり・・・アジトもお前の家みたいなものだ。たが、リサ・・・』
リサの両頬をリヴァイは優しく両手で包む。
鋭くいつもの目つきなのは変わっていないのに、揺れる瞳は穏やかで普段感じられないような不安の色を見せる。
リサの素性を知ってしまったからなのか、リサを守れるのは自分だけではないと知ってしまったからなのか。
何があっても守る自信がないわけではない。
リヴァイはこのような生活をしていて、仲間や自分自身の身柄がいつどうなるか分からない。
そんな時に他に頼れる人物がいるというのはリサにとって大切なこと。
ただ、リヴァイは他の誰かではなく自分がリサの周りの負の要因から取り除きたい。
複雑な感情をどう処理すればいいのか分からず、リヴァイはリサにとって優先すべきことを伝えた。
『俺がどうしようもなくなったら、爺さんと親父さんのところへ行け』
『一緒に行こう・・・じゃなくて?』
『俺がどうしようもなくなってるんだから、リサだけに決まってるだろ。俺たちとの約束も忘れるなよ?』
――――リサ、俺たちと約束しよう。もし、俺たちの身に何かあった時________
『分かっています・・・。そんな日が来るなんてないと思いますけどね』
『だといいけどな。俺も・・・俺達も望んじゃいねぇ』
リヴァイはリサの手を引くと、優しく胸の中閉じ込める。
『リサ・・・そういや、この間言っていた探し物の手伝いはいつだったか?』
『え・・・あー・・・明日でした!!』
『おい、忘れてるんじゃねぇ。そうか、明日はどこぞの男と楽しく過ごすわけか』
『い、言い方に棘があるんですけど・・・。ただのお手伝いですからね!』
『間違った事言ってねぇだろ?・・・それならそうと、しっかりリサに俺を擦り付けてやるか』
軽々とリサを抱き抱えるとベッドへ移動した。