第34章 襲い掛かる手
『やめてっ!お願い!!』
『はは!そうそう、やっぱ女の悲鳴のような声じゃねぇと興奮しねぇよなぁ!』
ボトムスの上からリサの下半身をまさぐる。
リサは嫌っ!と身体を丸めた。
『キーランドさん、何してるんすか!もう一気にやっちゃいましょう!』
『・・・それもそうだ。少し遊びすぎたな・・・』
『ひっ!!・・・・・・お、お願い・・・やだ・・・!!』
キーランドはリサのボトムスのボタンを外す。
────リヴァイさんっ!!リヴァイさん!!
リサは顔を逸らして涙を流す。
『ここで何しているんだ・・・?』
『くそっ!あ・・・いやぁ、少しばかり休憩をしていただけですよ』
────リヴァイさ・・・ん?
リサが寝転がらされているソファからは死角になっていて見えない。
キーランドは小さく舌打ちをすると、相手に見えないように連れの男に手で合図をする。連れの男は腰のポケットから折りたたみ式のナイフを取り出し、指を引っ掛けて刃の部分取り出す。
リサが声を出そうとすると、連れの男がリサの口に布を戻した。
『そろそろ、戻ろうとしていたんですよー。なっ?』
『そうですそうです!ね、キーランドさん!』
『お、おい!馬鹿やろ!俺の名を出すな!』
『キーランド・・・?キーランドって・・・闇商売の仲介屋か?ブラックリストに載っていたな』
扉の前の主は靴音を立ててリサたちの方へ近づく。
『・・・くそっ!やっちまえ!!』
『へへへっ、あんたも運が悪かったな!』
キーランド達は立ち上がると声の主の方へ襲いかかる。
────ど、どうしよう・・・!!でも・・・リヴァイさん・・・なの?
リサは胸を隠すようにソファにうつ伏せになる。
暫く騒がしい音が続くと、いつの間にかしんとした空間になった。
『・・・・・・君、大丈夫だったかい?』
『へ・・・?』
声のする方に首を向けると、知らない男が立っていた。フードを被っているが澄んだ瞳だけはハッキリ見える。
瞳の色は全てを見透かすような________蒼眼。
『貴方・・・は?』
『私は・・・エルヴィン・スミス』