第33章 シュシュとお見送り
『イシシッ!可愛いだろ~』
『あぁ、よく似合ってる。リサよくやったな』
『リサは分かるけど、リヴァイはイザベルを甘やかし過ぎだって』
リサが作ったシュシュでイザベルの2つ結びを結い直す。イザベルは嬉しそうに両手で結髪を握ると、見て見てと男2人に見せに行く。
大袈裟よ~とリサは笑うが、イザベルのリクエスト通りの茶色と白を使って螺旋に縫い付けただけの簡単なもの。端にはレースも付けて少し女の子っぽく。
リサの腕にもお揃いのシュシュがはめられている。
『あ、あの!ファーランさんの分もあるんです』
『えっ!あ・・・ほんと?!』
俺もシュシュ?と思いながら近付いてきたリサを見下ろすとポケットを探っている。ナイフのような視線が突き刺さる中、リサはあった!と取り出すとファーランは腕を握られ思わずドキリとする。
『すみません、こういったアクセサリーみたいなの興味がないかもしれませんけど・・・』
『・・・ミサンガ?』
『はい!お付けしますので、願い事をどうぞ』
白い小さな手が器用にミサンガを結ぶ。
───綺麗なつむじ・・・。リヴァイには悪いがこの位置からリサのつむじが見えるのはオレだけだな。頭にキスしたら・・・リヴァイに殺されるか?願い事・・・俺の願い事は・・・。
『・・・ご迷惑でしたか?』
『ま、まさか!!すごく嬉しいよ。リサありがとう』
青と白の紐のミサンガがファーランの腕で願いが纏うように揺れる。
リサの頭を撫でるとまた痛い目線が飛ぶ。こればっかりは俺の為だからなと視線を飛ばした主に目線を返した。
『クソっ・・・絶対ハンカチを取り返す!』
リヴァイは楽しそうにしている3人を横目に熱々の紅茶を飲む。少し口内を火傷したような気がしたが、あとでリサの舌で治療してもらおうとリヴァイの欲が湧く。
もちろんたいした火傷ではなく、案の定治療のお礼だと散々可愛がったのは言うまでもない。