第31章 新聞と林檎
『あっ・・・』
早朝。リサが目を覚ますとぐっすり眠ったリヴァイの顔があった。何度も見てるはずなのに、綺麗な眠った顔を見つめると照れてしまう。
片手だけが温かくて、リヴァイと手を繋いだまま寝ていたようだ。
『ふふっ・・・朝から幸せ過ぎるっ』
いつもより早めに寝たせいで目が覚めてしまったリサだが、朝からいい事あったと気分が上がる。
そのままもう一度寝てしまおうかと思ったが、あの後シャワーも浴びずに寝ていたことを思い出し、名残惜しいけど・・・とそっと手を離しベッドから降りる。
『ん・・・』
手を離すと寝ているはずなのにリヴァイは眉を寄せる。
『え、寝てますよね?リヴァイさん、私シャワー浴びてきますね』
小さく耳打ちするとリヴァイは眉間の皺を緩める。
無意識でも離れることを嫌がってくれたことがリサは嬉しかった。
リヴァイの部屋の扉をそっと閉め、リビングを見てリサは昨晩のリヴァイとファーランが会話していたことを思い出した。
『そういえばお2人で何の話してたんだろ。私の名前が出て来た気がする』
コンコン・・・
『え?』
地上ならまだ日が昇る前の時間。
遠慮がちに扉をノックする音にリサは、オレグの迎えを思い出し、身体をビクリとさせる。
コンコン・・・
2度目。
『・・・そんなわけないわね!だってここはリヴァイさん達のアジトなんだから』
自分に言い聞かせるようにと腕を組んで頷く。
リヴァイ達は起きる気配がない。
コンコン・・・
3度目。
さすがにこれ以上居留守になると、玄関先の人も去ってしまうような気がしてリサは唾を飲み込むと、前髪のくせ毛を気にしながら玄関へと向かう。
物音を立てないように背伸びをすると、窓の小さな穴を覗く。
『あっ・・・確かこの人は・・・!!』