第29章 素敵な朝
『皆さん!おはようございますっ。朝食の用意が出来ましたよー!』
『うわっ!卵がある!朝から豪華だなっ!兄貴!』
『あぁ、久しぶりの卵だな・・・』
『たまたま他の盗賊達とやりあった時にかっさらった物だったけど当たりだったね』
リサがダイニングから声をかけると我一番とイザベルがダイニングへと走ってくる。
卵が4つあったからどう料理しようか迷ったが、リヴァイが任せると言ったのでリサはオムレツにした。1人1個分の卵だから大きさ的には頼りないが、それでもオムレツの綺麗な黄色が華やかな朝食を演出していた。
『パンと~あとは・・・紅茶のお湯を沸かして・・・ってイザベル!まだ、いただきますしてないよ』
『・・・お、おう!』
先に食べようとしたイザベルの気配を感じ取ったリサは、茶漉を持ったまま笑顔で振り返るとイザベルはそっとパンを元の場所に戻した。
その様子を見ていたファーランは可笑しくて笑って、リヴァイも少し可笑しそう震えていた。
────なんだか、幸せだなぁ
大切な人達と大切な時間を過ごす。
太陽が差し込む光ぐらいリサには毎日がキラキラしていた。
リサは数日前の出来事のあと、自宅に戻ろうとしたが憲兵やオレグ関係の者が近付かないか心配だという理由で丁度空きが出たという元仲間の部屋を使わせてもらっていた。
その元仲間が男だったものだから、その日の掃除は相当大掛かりだった。
他の男の匂いが残った部屋にリサを置く訳にはいかねぇと、誰よりもリヴァイの気合いが入っていたとか。。
その部屋とリヴァイ達の家は目と鼻の先だから、こうして4人で食事することも増えていった。
『リサはもう俺たちと家族だな!!』
漸く食事にありつけると食べていたイザベルは口の端に卵を付けながらそう言う。
『え?私が・・・家族?』
横に座っていたリサは口に付いていた卵を取ってあげる。
『そう!こうやって一緒にメシ食べて一緒に暮らす!それはもう家族だ!!』
『家族・・・私が・・・』
リサは胸が熱くなるのを感じた。