第27章 同等の価値
『その金貨どうしますか?あの人が売ったものとはいえ、ハンカチはリヴァイさんのものでしたし・・・』
『そうだな・・・』
袋の中身を確認するとリヴァイは真っ直ぐ歩き出す。
リサは不思議に思いながら付いていくと、壁際に横たわったり立ち竦んでいる者へと向かった。
『じいさん、ほら・・・これで薬を買え』
『お・・・おぉ・・・!神様!!』
『そんな、大層なもんじゃねぇよ』
『おい、アンタ・・・ガキが腹にいるのか・・・ガキの分も飯食えよ・・』
『あ、ありがとうございます!!』
『お前は・・・足が悪いのか・・・。地下だから仕方ねぇが包帯ぐらいは変えろよ・・・』
『す、すまねぇ・・・恩に着るぜ・・・』
リヴァイは適当な数の金貨を取り出すと配り渡す。人々は拝む物や土下座をする者などいたが、気にするな・・・といつもの表情で答える。
長い目で見ると今渡している金貨も端金になるが、地下の人々には今日明日を生きれる保証になる。
──貴方はやっぱり上に立つべき人です・・・。強さと優しさを持っている・・・私も貴方の役に立ちたい。
『おいっ!リサ!このガキ、ずっとビービー泣いてやがって話を聞きやしねぇ!』
ぬいぐるみを持った裸足の女の子が大きな声で泣いている。リヴァイはうるさそうに片耳を塞ぎながらリサを呼び寄せた。
あぁ・・・リヴァイさんが怖いのね・・・とリサは笑うのを堪えながらリヴァイへの元へと小走りしていった。
きっと靴を買ってあげたいのだろうなと思いながら。
『お金・・・全部なくなっちゃいましたね』
しっかりと膨らみがあった袋は萎みきり、立体機動装置で飛ぶ2人の風でパタパタと揺れていた。
『あぁ・・・これでいい。しょうもない事に使われるより、誰かの役に立ったほうがリサも気分はマシだろ?・・・リサ、ほんとすまない』
『リヴァイさんは悪くないですよ。きっと誰かの元で大事にしてくれるはずです!・・・たぶん』
『それでもいつか必ず取り戻すつもりだ。・・・おい、さっさとアジトへ戻るぞ。・・・・・・帰ったら話だ』
『は・・・はぃ・・・・・・』
あまり気が乗らないままリサはリヴァイに付いて行った。