第26章 面白くない子
『え・・・あのリヴァイさんが・・・私の為に・・・?』
『ほーんと、女の為にそんなことする男じゃなかったんだけどさ!』
ローザは簡潔に話しただけだが、リサには衝撃的だった。自分の敵になりそうな相手には女だって容赦はしない男だ。従わない相手には蹴りも入れ、躾を施そうとする。
『詳しい話は本人に聞けば?面白くないアンタには面白い話がいるでしょ?』
───もしかして、リヴァイさんがあんな態度をとっていたのはそれのせいなのかも・・・
外していた立体機動装置をセットしながら考える。
チラリとローザを盗み見すると、あーやだやだと独り言を言いながら他のドレスに着替えていた。
色っぽい下着から覗く谷間やくびれは同じ女性として羨望だ。
リヴァイが何故自分を気に入っているのか分からなくなる。
『ねーぇ、アンタいつまでここにいるの?なんなら本当に女同士の経験させてあげようか?』
『え、遠慮します!!お仕事の邪魔してごめんなさい!お金だけ払って帰ります』
『・・・金はいらない。何もしてないもの・・・。それに、私・・・もうすぐ娼婦辞めて地上に行くから』
『・・・え?何で・・・。それに、そのことリヴァイさんは知ってるんですか?』
『言ってないわ。私に身請け話が出たの。今までも色んな男から言われてきたけど、私はこの仕事に誇りがあったし辞める事なんか考えたことなかった。けどね、アンタ見てたら1人の男に大事にされるのっていいなって思ったわけ!』
少し照れくさそうにローザは口を尖らす。
その姿が可愛らしくリサは思わず笑顔になった。
『リヴァイはあんなだからリサと先の関係を望んでるか分からないけど、それでもアンタはリヴァイといるつもり?』
『はい・・・私が傍にいてもいいなら形は問いません。私の存在が彼のすることの邪魔になりたくないから・・・』
『・・・ほんと、面白くない子!仕方ないから地上からたまにアンタらのこと思い出してあげるわ!』
『ローザさん・・・』
『そ、そーいう目止めて・・・!ほら、私も仕事あるから帰って!・・・リサ、リヴァイを頼むわよ』
『はい!・・・ローザさん、お幸せに』
ローザはハイハイと少し微笑み手を軽く振る。
リサは少し浮き立つ心のまま部屋を後にした