第24章 夜明け
『ん……っ、腰…っ…』
地上の太陽が上がる前にリサは目を覚ます。リヴァイに欲深く尽くされた後の腰は浮いているような感覚になる。
あんなに乱れていたシーツはいつの間にか綺麗に取り替えられていた。
『……リヴァイさん…、寝てるの?』
『…………』
背中にピタリとくっつく温もりに気が付き振り向く。
リヴァイはリサの声に反応することなく、薄く開いている唇の隙間から寝息が聞こえる。
『……綺麗な寝顔。ふふっ…寝てると眉間も伸びてるのね』
少しだけ眉間に触れ、起きる気配がないと分かるとこれ見よがしに眉間を触る。
『ん…リサ…』
リサは慌てて手を引っ込める。
『…リヴァイさんの寝言…?夢の中まで私がいるの?』
肩まで下がっていた布団を首元まで引っ張りあげる。
小さめの枕に2つの頭が並ぶ。
『こうやってリヴァイさんが一緒にいて、並んで寝ることが出来て幸せです。私の我儘で…抱いてくれてありがとうございます。これ以上の関係は求めません…貴方の夢の足枷にはなりたくない…です…から…』
ゆっくりと瞬きを数回すると、リヴァイの温かさが心地よくなり、すぅっとリサもまた夢の中へ戻る。
『……勝手に眉間に触ってんじゃねぇよ』
すっかり眠ってしまったリサの鼻を軽く摘む。一瞬不快な顔をするリサにリヴァイはふっと微笑んだ。
『俺の方こそ、お前が横にいるのが心地よくて思わず寝入っちまったな。リサ…気失う前に俺の言葉聞こえてなかったろ…』
――――している、リサ
『……いや、それでいい。リサが助けて欲しい時は駆け付ける。求め合いたい時は求める。……形にはまった関係じゃねぇけど…俺の気持ちに偽りはない』
先程摘んだ鼻先に今度はキスを落とす。
リサはくすぐったそうに口元が緩み、リヴァイの名を呼ぶ。
『リサがいないと俺は飛べねぇ…。…愛してる。…にしても、こいつ温か過ぎるな…くそっ…また眠気がきやがる』
リヴァイは諦めたようにリサを抱き寄せ、小さな枕を自分の頭の下に置きリサの頭を自分の腕に乗せた。
リサは無意識にリヴァイを抱きしめ返す。
まだ地上の日は昇らない。
もう少し、2人で寝よう。
こんな幸せな夜は初めてなのだから。