第23章 言葉による幸福(●)
『リヴァイ兄ちゃん、まだリサ姉ちゃん起きないの?』
『あぁ…暫く起きねぇだろうな』
『折角あったかいスープ持ってきたのにぃ!』
『…すまねぇ。目が覚めたら俺が温め直す』
リサとの諸事が終わりシャワーを浴びてから部屋へ戻ると子ども達が鍋を持って1度帰ってきた。
友達の母親の差し入れらしい。
ファーランは多めにお札を渡していたようで大層豪華な夕食であったとか。
絶妙なタイミングであり、今借りている寝室を子ども達に見せるわけにもいかない為、別の部屋でリヴァイはスープを頂いていた。
『ねぇ!リヴァイ兄ちゃんはリサ姉ちゃんの彼氏なんだよな?チューとかしてるのっ?』
―――チッ…面倒臭ぇ…
声に出してしまおうかと思ったが、避難場所として提供してもらってるだけに無下に出来ない。
『………彼氏じゃねぇ。キスはする』
『えー!!彼氏じゃないのに何でキスするんだよ?!』
『わかった!アソビってやつだろ!近所の兄ちゃんがオンナアソビは楽しいって言ってたもん!』
――――はぁ、ガキは苦手だ…。少しキツめの口調で言ってやろうか…
『あーでも、違うかも…!』
――――?
『リヴァイ兄ちゃんがリサ姉ちゃんを見る時の目ってすっげぇ優しいもんな!』
『…うん!僕もそう思う!近所の兄ちゃんはそんな目で一緒にいたオンナノヒトを見てなかった!』
―――自分では気がつかなかったな。
『あいつは遊びじゃない。本気で大切にしたい…。大人だから、色々な形があると思えばいい』
『アイってやつだな!なんかかっけー!!』
―――愛なんてリサに会うまでは考えたこともなかったな。教わるようなもんじゃねぇだろうけど。
ファーランやイザベルは俺を慕ってくれている。あいつ…ケニーは俺に愛情というものがあったのだろうか。。
『ガキ共そろそろ友達の家に戻らなくていいのか?』
『あっ!そうだった!果物もあったんだった!』
『フッ…腹一杯食わしてもらえ』
兄弟の頭に手をポンと置く。
『ねぇねぇ、兄ちゃん』
『あ?まだ何か質問でもあるのか…』
『ううん!リヴァイ兄ちゃん、怖い顔してるけど優しいし…笑うとすっげーかっこいいな!』
――――やはりガキは苦手だ。調子狂う…