第22章 甘い視線(●)
『おい、何故顔を隠すんだ?』
『お、お姫様抱っこをされているからです…!』
自分で歩くと主張したがリヴァイはそれを許さず今のお姫様抱っこに至る。
両手で顔を隠すものの指の隙間からリヴァイの綺麗な横顔を近くで見ると照れてしまい指を閉じた。
ゆっくりとした足取りで奥の部屋へと行くと、そっとベッドの上に寝かせる。
『薬の副作用かもな…少し熱がありそうだ』
少し冷やりとしたリヴァイの手が額に添えられ、それが気持ちよく、そしてまた熱が上がりそうになる。
『リヴァイさん…何から何まですみません…』
『…お前は謝ってばかりだな』
『えっと…ありがとうございます、リヴァイさん…』
『あぁ、そっちの方がいい』
満足気にリヴァイはリサの頬にかかった髪を後ろに流し優しく頬を撫でる。
添えられたリヴァイの手にリサも手を重ねた。
『リヴァイさん…』
『何だ…熱…辛くなってきたか?』
『辛い…辛いです。ずっと辛かったです…』
添えられたままのリヴァイの手をキュッと握る。
『お前はよく耐えたな。もう借金のことも気にする必要はねぇ…。詳しい話はまた話すから今はゆっくり休め』
リサの目の縁に溜まった涙を拭うようにキスをする。
『ふふっ、リヴァイさんが優しすぎて怖いです』
『俺は元々結構優しい。…まぁ、相手によるがな』
優しくしてもらえる対象として見てもらえてると思うとリサは顔が綻ぶ。
リヴァイは反対の手で布団をリサにかける。
『もしかして私は1人で寝るのでしょうか…?』
『当たり前だ…リサは疲れているだろ。俺が一緒に寝てみろ…熱があろうが手を出してしまうからな』
『……いいですよ。寧ろ手を出して今日のこと忘れさせて欲しいです』
顔を真っ赤にしながらリヴァイの手を両手で包む。暫くリヴァイの目を見つめていると、今度はリヴァイがリサの手を包む。
『自分に熱があるの分かってて言ってるんだな?』
『こんなの、薬の副作用です。前に借金の件が終わったら私に触れるって言ってましたよね。…解決しましたよ?』
『……ったく、自分を抑制していたんだがな…。正直に言うと、お前に触れたくてしょうがねぇよ』
リヴァイは立ち上がるとベストを脱いだ。