第20章 今、出来ること
『ごめんなさい、ファーランさん!ファーランさんはイザベルの所に行ってあげてください!私…リヴァイさんが心配です!!私なんかが行っても何の役にも立たないかもしれませんが…でも…』
『わーかったよ!リサもリヴァイと一緒で1度言い出すと聞かないからなぁ。。俺はイザベルと合流したら1度アジトへ戻る!リサはリヴァイとこのまま真っ直ぐ行った所の次の地点で待機してくれ!次の地点であの子達がいる!』
『あの子達?』
『行けば分かるよ。ある程度は説明してあるから大丈夫だ。ほら、俺の気が変わらない内に行ってこい』
立体機動でぶら下がっていたリサは体勢を整えるとファーランに行ってきます!と建物の裏へと回っていった。
『さてと、確かにイザベルもそろそろガス切れになる頃だな。リサの言うようにあいつの所に向かうか』
見えなくなったリサを心配そうに行先を見つめたあと、ファーランもまた立体機動装置で飛び立った。
『地下の有名なゴロツキサマはこんなものか?』
最初の憲兵達の襲撃に足止め出来たが、力が駄目ならと次は人数を集めて襲撃してきた。
1人と小さなナイフ1本に対し、相手は人数と銃という不平等なやりとりに不満が募る。
膝を付かされ身体を押さえつけられているリヴァイは、目の前の憲兵を睨みつけると、唾を吐きかけた。
『この…地下のクズ野郎が!!こいつを殺せ!連行する予定だったが自害したことにしろ!』
額に冷りとした銃の先が当たる。
―――リサは逃げきれたか?
―――あいつを守って終わるなら、悪くないな…
フッと笑うと静かに目を閉じる。
『リヴァイさん!!避けてください!!』
『なっ!!何処から声が!?』
リヴァイを拘束していた憲兵の力が緩むと、僅かな隙を感じ取り目の前の憲兵を蹴り飛ばし間合いをとる。
その瞬間、間合いを取ると目の前に何処からか樽が落ち粉々になる。
リヴァイの周りにいた憲兵はその場から離れてリヴァイから距離が開く。
上を見ると、立体機動装置を装着したリサが建物の上から樽を落とそうとしていた。
『おいっリサ!何してんだ?!』
『リヴァイさんをっ!助けるんですっっ!』
樽を建物からまた落とし、地面に激突すると粉々になった。