第1章 私も今日からヒーロー科
“無個性”
そんな私がヒーロー科に入れるわけもなく。
当然進学は普通科になってしまった。
わかってた。でも、ヒーローになることをあきらめたわけではない。
そのために雄英高校の普通科に入学したんだ。
いつか、私もヒーロー科に…!
入学してからというもの、私は勉学に勤しんでいた。
ごく普通の勉強。おかげさまで私は普通科内で学年5位以内に食い込んでいる。
でも、私にはそれだけじゃ足りない。人一倍頑張らなきゃいけないんだ。
「これ、今日のヒーロー学のノートですわ。」
「ありがとう。百ちゃん!」
百ちゃんは“創造”の個性を持つ私の友達。
友達になった経緯はまた今度。
放課後には毎日、百ちゃんに普通科には存在しないヒーロー学のノートを借りている。
そして、家でヒーロー学の勉強。百ちゃんは板書だけではなくて、自分の考えや自分で調べたことまでも書いてくれてるからとても助かる。
それだけじゃない。その日の実技や、そこで学んだ大切だと感じたことまで書いておいてくれる。
「勉強熱心ですわね。尊敬します。」
「今は、これしかできないからね…。」
「無個性…本当、神様はひどいことをなさいます。」
そう俯く百ちゃんに、私は笑顔を見せた。
「大丈夫!頑張るから!」