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千年越しの恋情記 【鬼滅の刃】

第15章 嵐のような呼吸





産屋敷家に急いで向かってはいたけど、特に急ぐよう言われたわけでもない

向かっている道中…本当にたまたま、おそらく巡回任務中の煉獄さんに会った



「む?…依千かッ!目が覚めたようだな!」

「煉獄さんもお変わりがないようで」

「まぁそうだな!ここ最近は特に怪我もしていない…至って健康だ!」



胸を張って声高らかに笑う煉獄さんの姿を見て、この人は昔から変わらないな…と思う

存在が存在なだけに…今の柱の子たちのことも昔から知っている
彼は昔から心に素直に生きていて正義感に満ちた善人だ



「急いでるようだったな。引き留めてすまない」

「いやいや、そんな急務なわけでもなくて…しばらく眠ってたから鍛錬がてらに走ってただけだから」

「そうだったか!…だが、目が覚めたばかりだと言うのならたとえ鬼の身であろうとあまり無茶はしないほうがいいぞ。酷い有様だったからな!」

「しのぶちゃんも言ってたけど…やっぱ結構悲惨だったみたいだね」

「悲惨も悲惨…文字通り血の海と表現するのがいいところだろう!」



今結構酷い話をしているはずだけど、煉獄さんと話してると一層の事清々しく感じてくる


みんなが到着したあと、私自身の体の傷はなんともなかったようだが服の破損と血液量が凄まじかったらしい

血は鬼なので、日を浴びると消えていくため特に処理には困らなかったそうだが、森の一角が大破するに至っているので事後処理が大変だったとか



「それにしてもお見苦しいところを見せちゃったな…裏だとしても、柱の称号を貰っているのにこの体たらく…」

「…思ったのだが…あの時は万全の状態だったのか?」

「…肯定すれば嘘になる…かな。傷の治りが遅かったのは確かだったから…」



それでも、人を食べていない私じゃいくら鬼舞辻の地が多いと言っても上弦の鬼との再生速度にかなりの差がある
そう付け加えた

それに敗因を薬のせいにしたくない…というのも事実ではある
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