第5章 薬の呼吸
「お待たせしました。こちらが新薬です」
「ありがとうしのぶちゃん…ちなみに…即効性…?」
「今回は遅効性になります。なので効き始める前に寝ることをお勧めしますね」
「頑張ります…」
笑顔でさらっと言われてしまったので冷や汗をかきながら、渡された湯飲みに入っている薬を見つめる
飲めばしばらく激痛が走るだろう
私に薬の効果が効き始めたら記録を取らないといけないので、しのぶちゃんはずっとここにいる
「じゃ、いただきます」
…思い切ってグイッと飲み込む
何となく嫌な感じがした…死なないだろうとは思っていたけど、死にかけるまではいきそうな気がする
そのまま布団をかぶって横になる
誰かが横についていてくれて、私が眠っているこの感じ
昔もどこかでこういうことがあったような気がする
鬼は基本睡眠を必要としないので、眠ることもない
だから今来ているこの睡魔は…多分毒と一緒に配合されている即効性の睡眠薬だろうか
そんなことを思い浮かべながら、静かに眠りについた