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千年越しの恋情記 【鬼滅の刃】

第3章 珍しい呼吸





「人と鬼の兄妹が…よりにもよってここに?それは本当なの?」

「何もおかしな事じゃないよ。依千だって一応鬼ではあるしね」

「私は訳ありで…でも特定の人の子を気にかけるだなんてどうしたの?私は構わないけど…」

「いつも通り、何となくさ」



そこそこ長い付き合いだけど、相変わらず掴み所がないというか…よくわからない人だ

でもまぁ、頼まれたからには成し遂げよう



「〝条約〟は絶対。その頼まれごとは、必ず遂げよう」

「ありがとう依千。…僕からの用はそれだけだから、あとは好きにしていいよ」

「じゃあ早速…私も鬼を狩ってくるよ」



縁側から離れて、数歩前に出る

そこから少しだけ振り返ると、ゆっくり手を振る姿が目に入った

それだけ見届けて、また歩き出す


この屋敷の自体、機密中の機密事項のため、幾重にも術がかけられて隠されている

なので一歩敷地を出ると…


…さっきまでいた場所から大きくかけ離れたところに移動する



「…さぁ今日はどこに行こう…って…ん?」



突然足元に手紙が落ちてくる

誰かが鎹烏で手紙をよこしたみたいだけど、どうやら鬼の私が怖くて近づけなかったらしい

よくあることなので、特に気にすることもなく手紙を拾う…と



「……今日は本当に…どうしちゃったんだか…」



手紙の差出人は冨岡義勇と言う名の、水柱からだった

九人いる柱のうちの一人だけど、あまり人と関わらないことで有名な子だったはずだ


しかも、内容も…



「…人と鬼の兄妹の用心棒って…お館様の能力は本当侮れないなぁ」



まぁいつものことだけど…と思いながら手紙を仕舞う

幸い場所もあまり遠くない。ここからならすぐに着くだろう



「どんな子かなぁ…仲良くなれるといいな」



少し微笑みながらそんなことを呟いて、三度笠を被り直す

夜はまだまだこれからだ
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