第18章 猟奇の国のアリス/アリスパロ/色々キャラ
⇒ act.3 チェシャ猫
トゥイードルから離れた後 当てもなく森を進んだ。歩けば歩く程 緑はどんどん深くなってくる、いつの間にかあたりは暗く霧が立ち込めていた。
「何か嫌な雰囲気…、次は誰が出てくるの…この流れだと、クラピカ?レオリオ?…キルアといえばゾルディックでイルミとか?シャャルナークも会ってみたい…!にしてもアノ人って誰なんだろ、……やっぱりクロロかな……」
小声でブツブツ言いながら 頭の中で想像してみる。少し慣れもあり 徐々に楽しくなってくる。
何せここは夢の世界、何でもありなのだから 前向きに考えるのも悪くはない。期待と不安にかられながら 少しづつ足を進めていった。
「随分気の多いアリスだね。原作は白ウサギに一途だった筈だけど」
頭の上からはっきり声がした。
咄嗟に上を向いてみても 見えるのは木々が夜風に揺れザワザワ音を出す光景だけだった。
明らかに声はしたのに姿が見えない、必死に探る視線を送っていると 木の上にぼうっと光が見えた。
「もしもし?うん …標的との接触まであと0.7秒ってとこ。もちろん任務通りに」
漫画で見たことがある、光っていたのは個性的デザインの携帯電話。いつの間にか声の主は 木の上に姿を現していた。視線がぶつかるその先にはキレイな翠色の瞳があった。
「うん、うん。わかってる パーティーまでには必ず」
「…うわ…シャルだ…」
ぽつんと呟いた。
その格好から推測すると、かの有名なチェシャ猫である。金髪からちょんと浮き出る黄色の猫耳、毛の長い豊かな尻尾をゆらゆらさせながら、 太い枝に体を預け優雅に電話で話していた。
シャルナークはクスッと勝気に笑いながら リネルを見下ろしていた。
鎖骨が見える ゆるんとした構造が謎の服を纏い 時折のんびり足を組み直す様子は マイペースなチェシャ猫らしく見えなくもない。