• テキストサイズ

〈短編〉H×H

第18章 猟奇の国のアリス/アリスパロ/色々キャラ


「くく、ベースの物語が何なのか詳しくは知らないけど 無事にゴール出来るかはわからないよ」

「どういうこと?」

「すぐにわかるさ」

綺麗であるのに鋭い視線に ついトクンと胸がなる。
ヒソカは本来の白ウサギの死体に近づくと その肉塊を足で乱暴に転がした。ウサギの服のポケットからコロリと懐中時計が転がり出る。血で汚れた指先のまま 懐中時計を拾い上げ、時計を覗き込んでいた。

「…全く。随分時間が押したじゃないか アノ人は遅刻にうるさいのに」

「アノ人…?」

「キミもよく知ってる人。誰かは会ってのお楽しみ」

白ウサギのくせに少しも焦る様子のないヒソカは 赤い死体を跨ぎあっさりその場を去ろうとする。

ここは一体どんな世界なのか。「不思議の国のアリス」と「ハンターハンター」が混ざった魑魅魍魎の世界だと言うのか。

目の前で起こったことに困惑するが リネルは拳を握りゴクリと固唾をのむ、そしてヒソカの背中に声をかける。

「ヒソカ ちょっと待って!ええと、私はどうすればいいの?!これはウサギを追い掛ける夢の世界の話の筈で」

「ならそうしたらいい ボクを捕まえてご覧よ」

いつの間にか目の前に数枚のトランプカードがヒラヒラと舞う。トランプの出番は物語のラストの筈なのにあっさりネタばれしてしまうのは ヒソカの気まぐれなのか、単純にキャラクター色なのか。

生きているかの如く 規則的に動くトランプに目を取られていると いつの間にかヒソカの冷ややかな顔が目と鼻の先にまで迫っていた。

「待ってるよ」

「!!っ…ちょ、…近」

「今なら捕まえるチャンスだろ?」

「えと、その…」

ドキドキ胸は高鳴ったまま。ヒソカはウサギというよりは蛇のよう、その瞳に捕らわれると身動きが取れなくなる。

耳元に顔を寄せられれば 吐息がかかる、ピクンと鳥肌が立った。



/ 346ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp