第60章 カウントダウン/イルミ/スト―カーにあう死ネタ
姿も声もわからない相手からの一方的な連絡は途絶える事がなかった。
“お疲れ。いつもキミを隣に感じてる、だからキミにもオレを近くに感じて欲しい。”
私の隠し撮り写真と 男性の陰部を写した写真が、向かい合わせに重ねられていた。
異常性はさらにエスカレートするばかりだ。
“頭とか心じゃない。オレの全身が流れる血液が細胞のひとつひとつが キミを欲しがっている。苦しいんだ、わかってくれるよね?”
剃刀が二枚同封されている。一枚は真っ赤な何かが固まって付着していて、もう一枚はキレイなままだった。
こわい、ただひたすらに。逃げたい、誰の目も届かない世界へ。
“お疲れ。今日もキミを抱く瞬間を想像した。沢山出たよ、恥ずかしいくらい。”
体液が入ったままのコンドームが添えられていた。
精神力の限界だった。外にいるとどこかからか見張られている。家にいても尚見張られている。仕事も休みがちになり、ベッドの上で布団をかぶったまま過ごす時間が増えていた。
震えが止まらない、眠れない、食欲がない、涙が流れる。
こわい。
それだけだった。