第56章 次男の優越と苦悩/ミルキ目線/嫁夢主
「ミルキさん ミルキさん、まだ寝ないんですか?」
「先寝てろ」
後ろから声をかけて来るのは例の嫁、リネル。
毎晩こうやって声を掛けてくる、それに対してパソコンから目を離さぬまま同じ返事を毎日繰り返してる。いい加減学習しろよ、オンラインゲームやってんだから手が離せないんだって。
「ねぇ 何かお話しましょうよ」
「ポテチ取って」
「………」
「コーラも」
「………」
不機嫌そうな顔をしつつも指定した菓子を持ってはくる。しかし気が利かないな、袋の口くらい開けろよ。
「ミルキさぁん お菓子ばっかり食べると身体に毒ですよ?それに太りますよ?」
「毒なんか生まれた頃から飲んでるしすでに太ってるし」
余計な事はいいから黙ってろ。三次元の女はこれだから面倒くさい、サクッと嫁を殺っちゃったイル兄の気持ちがわからなくもない。
「ゲーム そんなに楽しいですか?」
無視。話し掛けんな。
リネルは横から覗き込んでくる。てゆうか少しは引けよ、結構えげつないレベルのエロゲーなんだけど。
「あ、そうだ!ミルキさん聞いて下さい!昼間にキルアくんにお会いしまして。お友達と遊びに行ったお土産にって私にわざわざケーキを買って来て下さったんです」
「…」
「それをお義母様と頂いていたらカルトちゃんがお帰りになられて。3人でミルキさんの事をお話ししたんですよ」
「…」
「その後部屋に戻る途中、廊下でお仕事上がりのお義父様とお義兄様にお会いしましてね?」
あああああもうやかましい、うるさい、ウザい。そもそもお前になんか興味ないんだよ。くだらない話すんなっての。
「いい加減黙れよ」
「でも…っ」
「次勝手に話したら殺すぞ」
「……、」
ふふん、さすがに黙ったな。ハナっからそうしてろっての。
「うぐっ…リネルッ 何すんだ…!?!」
「話すなと言われたので仕方なく。ミルキさんへの愛を力で表現しています」
「ハ?!、ちょ、殺すぞ…マジで……っ」
「構いません。そして私は簡単には殺られません。」