第26章 強く賢く生きる方法/イルシャル双子設定/現パロ/死ネタ
上ずる自分の声だけが虚しく宙を舞う。リネルにとっては完璧なる存在であるシャルナークにそんな事をされるのは当然初めてで、薄暗い部屋の中では 知っている筈の柔和な顔つきが痛々しいくらい真剣に見えてくる。怯えた様子を隠す事は出来なかった。
はっきり言って男が憎いし怖い。それをありありと意識させる乱暴な真似なんてして欲しくないのに“拒む”という選択肢は不思議と脳裏にはない。この世界に足を踏み入れ汚れてしまった身体と共に 心までもそうコントロールされてしまったのだろうか。
そんな脳内の問い掛けを追い出すべく、すぐに首筋に舌が這う。温かく濡れた感触に 身体が小さく震えた。押し当てられた赤い舌が 首の付け根から耳元をいやらしく往来する。
「…ッ、や…」
「ごめん リネル」
なんの謝罪なのか、止まる様子もない行為は簡単に進められる。剥がれた服からむき出しになる白い胸に手を伸ばされ荒く揉みしだかれた。シャルナークは自身の手の平の中で膨らみの形を思うまま歪に変えながら、リネルを真っ直ぐに見下ろしていた。
「そういうつもりはなかったんだけど。やっぱムリ」
「なに、…が?」
「わかってるくせに リネルだって」
普段の調子で言うシャルナークの指先がリネルの胸の突起に伸びる。それを弄りながら そこへ顔を寄せてくる。指先が器用に乳首の先端を擦り、その度に生理的に顔が歪んだ。
「誰の監視も邪魔もない。もうオレ達は何をするのも自由だしね」
「え、」
「ヤらせてよ」
「っ…!」
胸元に顔が落ち 突起にきつく舌先を当てられ、深く吸い上げられる。味見程度に粗末な胸への愛撫は快楽よりも違和感の方が強いだけだった。
すぐに片手で下半身を開かれることになる。躊躇なく下着の中まで侵入する指は 濡れてもいない秘部を押し進み、無理にナカに侵入してくる。肉壁をこじ開けるギチギチした痛みには覚えがあるが 慣れているわけでもなく 素直に顔を崩してみせた。
「やっ…待っ」
「やっぱ初めてじゃないんだ」
「わかる、の?」
「うん。これだけするっと指入るならね」
「痛い…よッ」
「濡れてないしするっとって訳でもないか」
脚線をするりと辿られ、安い下着を取り払われる。羞恥と少しの怖さが押し寄せる。