第22章 一日保育園/アダトリ/ギャグ
「ふぇーん!ふぇーん!」
『あぁあ~ユイ~どうしたの~!?』
先ほどまでは大人しかったユイが再びまたグズりだしてしまった。
困りながらユイをあやすリネルにイルミが言った。
「お腹空いたんじゃないの?」
『え?!そうなの?…何あげればいいのかな…クロロこの家何かある?』
「ん?そうだな、食糧といえば冷蔵庫にプリンが…」
『プリン?良さそうだね柔らかいし!』
すぐさま冷蔵庫に向かってプリンを手に戻って来たリネル。
クロロは真剣な顔でリネルの肩に手を乗せて、首を左右に振りながら深妙そうに言った。
「リネル…今日来たばかりの見ず知らずのヤツに俺のプリンをやれると思うのか?お前はそんなに他人の気持ちのわからないヤツだったのか!?」
『なに言ってんのたかがプリン一個で。そして相手は子供でしょ』
「誰にでも譲れん優先順位はあるだろう、そのプリンは絶対に譲れん。例えそれがお腹を空かせた幼子であろうとな」
『大人気ないにも程があるでしょ四捨五入したら三十路のくせに真顔で何言ってんの』
呆れ顔のリネルはクロロを無視してプリンの蓋をあけようとした。
その瞬間にクロロから凄まじいオーラが放たれ手には盗賊の極意が現れていた。
『ちょっと待ってよどんだけガチなの!!』
「わかり合えず残念だ…、死を持って償えリネル」
『分かり合える訳ないしそんなクロロが一番残念だよ』
「服の趣味が残念だよね。クロロは」
『ヒソカ、人の事言えると思ってる?』
「ほんとだよ。お前らなんで生まれてきたの?」
『何故か得意げだけど誰もイルミの服の趣味がいいとは言ってないから』
「お前らになんと言われようと譲れんぞこのプリンは」
『もういいよこのアラサーほっとこうよ』