【M】Memories of summer(気象系)
第2章 『夏の思い出』
言う必要はなかった。プライベートだし、ある意味…メンバーにもオフレコ的なヤツだし。てか誰にも。
超シークレットトークだもん。ガチで秘めてた。たった一日の、それも数時間のこと。
だけど、忘れられるほど軽いことでもなくて。記憶の底に沈めたところで、泡になって消えるわけじゃない。
でも、そんな、気に病むような黒い記憶でもない。別に邪険にしてたわけじゃないし。後ろ暗くも…正直、そんななかった。いろいろやっちゃった割には、むしろ、俺は、俺にとっては嫌じゃない方の記憶。
けど、やっぱ人に話せるようなことでもないから。誰にも言わないでいた。秘密にしてた。文字通り、俺の中に秘めてた。ずっと。
何で今になって話す気になったのか…。
『夏の思い出』
で思い出したから。
それだけの理由かもしれない。だって、出てきちゃったからさ。
で
四「はぁぁぁ~…」
松「…」
四「ほぇぇぇ~…」
あの日のことをざっくり話し終えたら…案の定?みんな絶句。てか反応が同じ過ぎて面白い(笑)。
つっても、まあ。
『たまたま浜辺にいた子と喋って、仲良くなって、なんか、気がついたらそういう雰囲気になって…』
くらいだけど。さすがにね?
カズは無言のままレコーダーをすぐにオフ。すいませんね、使えないの出しちゃって。わかってたけど、出ちゃったから。しょうがない。