第2章 さぁ、今回も頑張りましょう。
と言う事で、結局の所何が言いたいかと言えば…私の大事なキャロラインが必ずバッドエンドに導かれるという事である。彼女は至って真面目で誠実な気品に満ち溢れている令嬢、それはもう一目見た時にまとっていたオーラが違った。頭の痛いヒロインとは偉い違いである…一応全ての攻略者との話しをキャロラインの隣で見て来た私だが、攻略者達は絶対にヒロインを選ぶのだ。なにかに操られているのか?と思わせるくらいの出来すぎた内容に引いた。唯一褒める所があるとすれば、グラフィックのレベルはかなり高い。全ての攻略者達は当然イケメンである…そのパッケージに騙されたと嘆き悲しむ乙女達は続出した。
まぁ…これは賛否両論である。頭がお花畑の考え方の出来るヒロイン体質の乙女達は「面白かった!続編出して!感動して泣いた!」と言うらしいが私のように「ヒロインの無鉄砲さの考え方が無理だわ…共感出来ないし、おつむが弱いし色々と痛いしこのゲームって一体なにが楽しいの?」というその箱のパッケージや題名を見るのも嫌だと直ぐ売りに来る乙女もいる。全く関係のない話しだが私の愛しきキャロラインは誰よりも光り輝き神々しかったりした。クールデレ最高です、ありがとうございます。とまだ出会っていないキャロラインの気高く美しい姿を思い浮かべてほぅ…とうっとりしたため息をついた。
そんな私は今年で5歳になる、キャロラインを最低でクズな攻略者達から守る為に先ず友人Aの私になにが出来るだろうかと考えた。
「私の能力はタイムリープだけ、強いていうのなら…雷魔法くらい?しかし静電気レベルの…これじゃあなんの役にもたたないじゃないか!」
「今日も元気だねぇ…お嬢さん」
「!?び、びっくりした…急に現れて来ないで下さいよ、ネロさん」
「ふふ、すまないね…貴女と話しがしたくてついここへ導かれるように辿り着いてしまった」
「それはまぁ、別に構いませんけど…」
魔法使いでも飛び抜けて優秀なネロは上級者魔法使いである。だからなのか強い彼は色々な魔法などを簡単に出来てしまいどんな能力も使えるかなりの場違いキャラクターで、チートだったりした。