第1章 【爆豪】序章【派閥】
雄英高校を卒業の後、ニューヨーク留学を得て日本に戻ってきてから圧倒的なヴィラン検挙率を誇る爆心地も参加していた。
その他にも爆心地の立ち上げた事務所に所属する漢気ヒーローの烈怒頼雄斗、メディア露出が多くその華やかな個性でアイドル的な人気ばかりが目立つがしっかりとした実力を持つチャージズマ。そして最近は専らレスキュー活動メインの後方支援型の俺、セロファン。
その他にも見知った顔がちらほら。
俺たち世代の雄英卒ヒーローは圧倒的な支持率を誇るヒーローデクや、エンデヴァーの息子であるショートを筆頭に錚々たるメンバーがいた。その黄金世代とも呼ばれるヒーローたちがこうも集まれば今回の件がどれだけ大きな計画か、そして必ず成功させなくてはならない計画かは想像に容易かった。 けれどもそんな張り詰めた空気をまるで気にした様子もなく上な……、チャージズマは。
「えー、俺たち4人が現場重なるとか何気に初じゃね? 超テンション上がるー!」
と緊張感がない様子で。
「遊びに行くんじゃねぇんだぞ、クソがッ!!」
と爆心地に怒鳴られていた。
そんなチャージズマと烈怒頼雄斗は現在は別の場所で任務を行なっていた。
爆心地のサポートは学生時代から何度もしてきていたし、今回もそうだろうと作戦概要を聞いていたが。成る程、これは俺が選ばれるはずだと納得する配置だった。烈怒頼雄やチャージズマが此処ではなくて良かったと思う。
今回摘発した組織の犯罪は様々な悪事を行なってきていた。
そのひとつが個性目的での少女の誘拐。
そして少女たちは男を喜ばす手管を仕込まれ、娼婦として育て上げられる。
けれども少女たちは娼婦として扱われるわけではなかった。そうであればただの被害者として救済してあげることもできただろう。
ヴィランの目的は彼女たちの美しさとその躰と個性を使って諜報活動や時には暗殺をさせていた。
昔からあるハニートラップや房中術と云われるものだ。