第3章 【切島、上鳴】あいのけもの【R-18】
「あっれー? 今日は誰もいないと思ったのに先約かぁー?」
「げっ! 上鳴っ!!」
一瞬、鋭児郎の意識が私から逸れる。
「俺もまーぜて」
「入ってくんなよ」
「この部屋でヤッてたら他の奴が入ってきても文句云えないって決まりだろ。厭なら自分の部屋でヤりゃあ良いじゃん。切島って絶対自分の部屋でヤんねぇよなぁ」
「それ、は」
「あんなムードもねぇ部屋じゃ仕方ないかぁ」
「何だよ! 漢らしいだろっ!!」
「お前、絶対漢らしいの方向性間違えてるって。
なぁ、ひなちゃん俺も入って良い?」
ベッドに乗り上げて私の前に来ると電気はそう訊いてくる。私がこくりと頷くと、顔にそっと触れて唇を重ねて来た。
「んっ、ん」
唇が触れるだけの甘い甘いそれ。不意に電気に唇をぺろりと舐められる。
「あっは、すっげとろっとろの顔してる。ねえ、口開けて、きもちーの出して」
そう甘えるみたいに云われる。
「おい、あんま使わせるなよ」
「別に良いじゃん。なんなら切島も使って貰えよ」
「お、俺は良いよ」
「すっげ気持ち良くなんのに」
ね、出して。と電気がまた私に云う。
私は個性を発動させながら舌を出して口の中いっぱいに唾液を溜めた。其処にくちゅくちゅと電気が舌を絡めて唾液を啜る。
「やっべー、マジで気持ちー。ちんちんすぐ勃っちった」
「でんき、きもち、いの?」
「うん、きもちー」
云いながらまたキスをする。舌を絡めて互いの唾液を混ぜ合う。
突然、ビリリッと口の中に甘い痺れを感じて躰が跳ねてしまった。
「うぉっ、すっげ締まった」
後ろで鋭児郎の声がする。
「あっあっ」
口の中がまだビリビリして凄く気持ち良い。