第8章 私は独りじゃない
「さて、どうしたもんだか。」
目の前にあるポテトを弄びながら私は呟く。
何故か。
そう何故か、影山くん月島くんはね、なにもされないという。
「イケメンていいな」
「私も背の高いイケメンに生まれたかったなぁ」
「仁花は可愛いからいいの」
なんて呑気な会話。
「で、なんで僕たち、当然のようにマックにいる訳?」
「月見バーガー食べたかったから。」
影山くんはマイペースだ。
「それはそうと、王様良いの?」
「何?」
「バレー」
そうだ。
良く考えれば、そうなのだ。
影山くんはバレーが大好きで、今度こそ民主主義の王様になれる筈だったのだ。
「ごめん」
それしか言えない私。
「別に白井さんは何も悪くないデショ」
当然だと言わんばかりの月島くんの口調に救われる。
だけど、私はなんて返すのが正解かわからなくて黙り込んでしまう。
周りはうるさいのに、ここだけ凄く静かで、息苦しい圧迫感も感じる。
そんな思い沈黙を破ったのは影山くん。
「どうでも良い。チームメイトを信じられないチームにいても意味ないからな」
そう言って、ハンバーガーの残り一口を食べる。
それを合図に、4人全員が立ち上がる。
静かに、暗く寒い景色に、入っていく。
「また、明日」
他の3人の背中が見えなくなった後で、街の雑音にかき消された一言。
でも、
きっと届いてる。
いつか、
誰かに、
堂々と言えるように、
なりたい、
とか思ったり…。
* * * * *