第8章 私は独りじゃない
部活の時間。
久しぶりに私は体育館前にいる。
「すみません」
「…何の用だ?」
大地さんの声は前ほど優しくないけど、だけど敵意もなくて、そして何よりとても懐かしくてつい頬が緩みそうになる。
七瀬さんはというと田中先輩の陰に隠れている。
そんなに怖がらないでよ。
「単刀直入にケーキをまっぷたつにする勢いで言います。仁花ちゃんになんかしたら許さねぇかんな。…以上です。」
そして、影山くんと月島くんの方を向く。
「二人はさ、私に何か言いたいことあるんじゃないの?」
二人は無言で目をそらす。
「昨日隠された上履き、戻してくれたのは影山くんだよね?机の落書き消してくれたの、月島くんだよね?」
「だってお前、やってなさそうだし」
いや単純な理由だね!?
さすが単細胞。
月島くんは、それを言うなよ…とでも言いたげな顔でそっぽ向いていたが、ふっとこちらに視線向ける。
「僕も谷地さんと同じ。…七瀬さん、いまだにドリンク作りすら覚束ないし。仮にホントに覚えられないってんなら要領悪いにもほどがあるデショ。」
うん、かなりはっきり言いましたね。
「ひ、ひどいよ…」
七瀬さん涙目じゃん。
嘘泣きだろうけどさ。
二人の意思がわかったところで、私は改めて部員の方を向く。