第4章 こんな簡単に壊れちゃうモノなんですか?
フリーズして立ち尽くす私に、
「これ。」
スガさんは泥まみれのタオルを差し出す。
「なんですか、これ」
「身に覚え、ないか?」
「ないに決まってるでしょ」
「…七瀬さんがタオルを洗っても洗ってもお前が踏みつけてくる。…だから、仕事が回しきれない。部活に迷惑をかけてしまう。そう言って、泣いてたぞ」
「は?」
いや、先輩に向かってそれは失礼とか、そんなこと今はどうでもいい。
なに言ってんの。
そんないきなり現れた奴の言うことすんなり信じるの?
泣けばいいの?
あいにく私はここで泣いて訴えるほどの可愛げとかないし。
てかショックすぎて涙すら出ない。
「今日はもう、帰ります…」
そう言うと、来た道を引き返す。
謝るだけだとかなんだとか聞こえてきたけど、それは聞こえなかったことにした。
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