第13章 洛陽での出会い《回想》
「俺の母さんは、こんな薄汚い惑星じゃ生きていけない。日に日に弱っていく姿を見るのは、もう耐えられない…。アイツもそんな母さんを避けるように帰ってこないし。妹が泣くのももう見飽きた…」
隣で立ち尽くす少年は、その小さな身体でどれだけの思いを抱えて今まで生きてきたのだろう…
「俺が…。俺さえ強ければ…」
未来に傘を渡し、全身雨に打たれる少年の頬を伝うのは雨の雫だけなのか…
「よしっ。連れて行って、お母さんのところに」
貸してもらった傘を、今度はその彼にさしてあげた
「…は?お前なんかに何もでき…」
「私、こう見えても医者の端くれなの。未来って呼んで。君は…?」
「…俺は、神威」