第9章 交差するそれぞれの思い《回想》
祭りの一件で、未来はそれまでのように一人で遊びにいくことはできなくなってしまった
でも、未来を心配していたミツバと総悟は毎日未来の見舞いにやってきてくれた
それから数日経った日、未来の怪我も癒え江戸へ戻ることが決まった
「明日、帰ることになったんだ」
「え、そんなに急に…。そっか…未来ちゃんがいなくなると淋しくなるね、総ちゃん」
ミツバは隣に座る総悟に声をかけると、総悟は俯いたまま口を閉ざしてしまった
「私もミツバちゃんと総ちゃんとここで一緒にいたいなあ。帰ってもおうちのみんなは私のこと嫌いなんだ」
なんでもない事のようにあっけらかんと話す未来に、ミツバは声を漏らす
「未来ちゃん…」