第9章 交差するそれぞれの思い《回想》
「あ、総悟?こんなところで何やって…って、なんだこれは…っ!これ、トシが打ちのめしてたやつらの仲間じゃねェか。おいっ、総悟大丈夫か?…怪我は…してねェみたいだな…」
総悟にコンドーと呼ばれた男は、目の前に血まみれで倒れている男たちを見て唖然としていた
辺りには忍が使うクナイが散らばっていた
コンドーはギョッとしたが、既に近くに気配を感じることはない
「未来ちゃんが…未来ちゃんが…」
総悟が涙ながらに訴えるその方へ目を向ける
「君っ‼︎大丈夫か⁉︎」
未来へかけ寄るコンドーと総悟
腕から血を流している未来に、その男は持っていた自分の手拭いで器用に止血した
「総悟を守ってくれたのか…。ありがとう。すまないな、こんな目に合わせて…」
未来を横抱きに抱えて、賑わう祭りの方へ急いで向かう