第9章 交差するそれぞれの思い《回想》
間一髪避けたものの二の腕から血が流れ出す
「え…」
耳障りの悪い音が聞こえ総悟が目を開くと、目の前には未来の姿があった
「総ちゃん、大丈夫…?」
血に濡れた未来は斬りかかってきた男を見据え、背中に隠した総悟に声をかけた
総悟はあまりのことで声が出ず、その場で腰を抜かしてしまった
「おいっ、このガキ、どっかで見たことねェか」
「こいつ!もしかして将軍の…ぐはっ!」
男たちが驚いた様子で未来を見ていると、突然バタバタと倒れていく
倒れた男たちにはクナイが刺さっていた
どこからともなく飛んできたクナイは、その場にいた男たち全員を逃げる隙もなく倒していた
「おいおい、なんか叫び声が聞こえたけど、こんなところでなにやって…」
突然背後から声がして、未来と総悟はビクッと肩が震えた
恐る恐る声のした方へ振り向くと、総悟は目を大きくしその男へ走っていく
「コンドー!」