第9章 交差するそれぞれの思い《回想》
川辺の木陰で涼む三人
総悟は遊び疲れてうとうとしている
「未来ちゃんはこの川のほとりが好きだね」
「初めて見たの、本物の川を。日の光が反射して綺麗だね。こんな綺麗なところに住んでるミツバちゃんたちが羨ましい」
「ここにはたくさん蛍もいるんだよ」
「…ほたる?」
「知らない?綺麗な水辺でしか生きられなくて、夜になるとキラキラ光って、すっごく綺麗なの」
「へえ、見てみたいなあ」
未来とミツバの会話を目を閉じて聞いていた総悟
静かに目を開けると、太陽の日差しが反射して輝く川の水面を眺めていた