第2章 .漂う手紙の終着点
.
『なんだかスッキリしたって顔してるよ』
イゾウ「引っ掛かりがやっと取れたんだ、そんな顔しても可笑しかねーだろ?」
『それもそうだね!』
まさかボトルメールの終着点がここだったとは...
というか本当に拾い上げてくれる人がいることすら驚きだ
あの手紙には漂う道しかないのだと自分の中で決めつけてしまって、届くことの無い思いの詰まったものになるのかと
でも違ったんだ、
ちゃんとこの思いは誰かに届いていて、伝わっていた
顔も知らぬ誰かからの手紙を拾い、その手紙に綴られた思いを読んでくれる人が
クムユ姉さん、届いてたよ
思いは伝わっていたんだ
無駄なんかじゃない
思いも、想いも、大切な感情で
泣くことも笑うことも怒ることも全て大切な大切な感情なんだ
手紙ってね、その思いを忘れないためにあるんじゃないかなって思うの
友人に宛てるにしろ、恋人、家族、そして自分
誰に宛てたとしても、手紙にはたくさんのオモイが詰まってて、そして貰った人はそれを宝物にする
捨ててしまうかもしれないけれど
イゾウさんの手にあるこの手紙は
シワなんかなくて、一枚一枚大切にされていたよ
____クムユ「感情なんて無意味なのかもしれないわね」ボソッ
『............そんなこと...無かったよ』ボソッ
.