第2章 .漂う手紙の終着点
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ララさんに連れられてきた服屋はいかにもララさん好みで、レースやらフリルやら至るところに細工を施された品ばかり
俗に言うロリータにも近いものである
そんな服を見てララさんは興奮して店内を物色し始めた
しまいには店員さんとも服について語り始めてしまうほど...
で、私はと言うとララさんの様子を端にあった椅子に座ってテーブルに頬杖をつきながら眺めている
ちょっと着せ替え人形にされなくて良かったと思ってる、本当に良かった
『楽しそうで何よりだなぁ』
私も服は大好きだけどララさんとは系統が違いすぎてついていけないのだ
このお店の系統がロリータ風でいかにも女の子って感じがするものばかり、私は見てるだけで十分だ
いつも来ていた服はカジュアル系だったり、ストリート系だったりする
あとは時々兄の服を勝手に借りてダボッとしたTシャツを部屋着にしたりしてコンビニへ行ったりする
ロリータの世界など程遠いってことだ
店員「紅茶でもどうぞ」
急に影が手間来たと思えば声をかけられたため、目線をそちらに向けるとララさんと話している店員さんとは別の人がティーカップとポットをトレーにのせニコッと微笑みながら片手に持っていた
『ありがとう....ございます』
頬杖をついていた手をどけテーブルの上に置いて貰う、ポットからコポコポとティーカップに注がれる紅茶はとてもいい香りがした
注ぎ終わると店員さんは私の迎えの席に腰を下ろした
店員「その紅茶はこの島で取れた茶葉から作られているんですよ
砂糖を入れずとも甘い味がして、とてもいい香りが特徴的な紅茶です
リラックス効果があって眠れない時に飲まれるといいんです」
『へぇ~、じゃあこれ砂糖入れてないんですか?』
店員「ええ、飲んでみて甘さを確かめてくださいな」
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