第2章 .漂う手紙の終着点
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エース「ほら行くんだろ?医務室」
差し出した手を立ち上がってもなお握り続けているエースさんに手を引かれ医務室を目指す
エースさんの後ろ姿が似ても似つかないはずの実の兄、愛兄の後ろ姿が見えた
『ッ...』
一瞬であったが見えた兄の姿は服が所々焼けたように焦げていて、肌も火傷を負っているようだった
エース「どーした七都、調子悪ぃのか?」
私の息を呑む声が聞こえたのだろうか、エースさんは歩きながらも顔を後ろに向けこちらの様子を確かめた
その顔にまた兄の顔が重なり目を合わせられず目を背けた
『大丈夫、早く医務室行こっか』
エース「おう、体調悪かったらちゃんと言えよ?」
『...うん』
さっきよりもエースさんに握られている手は力が入っていた
顔を見れるはずがないんだ
だって、重なってしまった兄の顔の右半分は火傷を負っていて爛れ、片目でもなお安心させるような優しい顔をしていた
なんでよ、、、
こんなの見えてしまったら、怖くて怖くてエースさんの顔なんてまともに見れるはずないじゃん
『...愛兄』
エース「...」
エースと七都はその後医務室に着くまで無言で船内を歩いていた
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