第1章 .瓶詰めの手紙
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「「ご馳走様でした」」
花「はい、お粗末さまでした!!」
そう言って夕食を終えたあとは各自のやることをする
雄斗は風呂へ、愛斗は仕事のレポートを書きに部屋へ、陸斗は仕事の勉強
そして私と花歩ちゃんは食器洗いを
『ねぇ、花歩ちゃん
私今日ね、ゆっきーと喋ってる途中で居眠りしちゃってさー
なんか凄い夢を見たんだよね、、、
夢って感じじゃなくてすっごくリアルだった』
花「あらーそうなの
いったいどんな夢だったのかしら?」
『えっとね、まず最初に目に入ったのは砂で青い海と空があったの
そしてね~...』
リアルすぎた夢を、思いを知って欲しくていつになく子供っぽい七都
その姿を見てか花歩ちゃんは食器を洗いながらも親身になって頷き、聞いてくれた
時には「そのクムユってどんな人なの?」「怪我とかしなかった?」「えぇ!!肩に怪我!?」なんてリアクションをとったりした
花歩ちゃんと話しているとあっという間に食器が片付いた
『洗い終わったね!』
花「七都ちゃん、きっとその話が夢でも夢じゃなくても
目の前で起きていることが現実よ
もしそれが信じられなくても、自分の目を疑ってはダメ
助けを求められたら手を差し伸べる
七都ちゃんはそれが1番出来る子だから、"自分も相手も大切に"
これだけは頭に入れておいて頂戴ね
私も雄斗も愛斗くんも陸斗くんも貴方がとっても大切なの
さ、今日はもうお風呂はいって寝なさい」
そう言った花歩ちゃんは夢が本物だと言っているようだった
そして、夢で見たクムユ姉さんに重なって見えて、向こうの世界にいた時間は短いのに恋しくなってしまった
向こうの世界にはここには無い何かがある
私はそれを求めてしまっているのだろう
『うん、おやすみなさい』
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