第5章 .落花と記憶
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酒に溺れ、熱に抱かれて、気持ちは舞いあがる
今、海賊と村人の間を割くものは何も無い
海賊は全てが悪なんかじゃないって
教えてくれた人が居たからこそ
私は今こうして生きてこれた
そして自分もまた海賊となった
この力がどんなに恐ろしくて儚いものなのかを
海賊になって自由を手にしたとき分かった気がした
同時に大切なものを護る力を手にしていたことに気がついた
後悔したって姉は戻ってこない、
だけど姉の思いを護ることはできる
クムユ「貴方だけの答えを聞くわけじゃないの、
でも答えを聞かせてほしい」
クムユはまた遠くを見つめた
その瞳の先には七都が村人と
仲睦まじく話している様子が映っている
サッチ「俺に答えられることなら聞いてくれ」
私一人だと貴女を救うことはできない
でもね、私はもう過去に囚われるだけの人間じゃない
助け合いってすてきじゃない?
____俺と一緒に来いッ!!
____なぁ、俺と自由を見つけないか?
____修行だ、大切なものを護れるように
____忘れちゃいけない、
____「「人間は皆、一人じゃない」」
だから、私だけじゃなくて
他の人の力もかりたいと思うの
クムユ「七都とまだ旅がしたい...?」
サッチ「...俺ァまだ話したりねェよ」
......貴女に幸せを運ぶ風を贈るわ、七都
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