第5章 .落花と記憶
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たとえあの子と旅した時間が短かったとしても
貴方みたいにもう長いこと海賊をやっていたなら
気づいたんじゃないかしら?
私も14のときに海賊という道を選択したわ
幼い頃、自分の大切なものを奪ったのは海賊だったけど、
また私の命を救ってくれたのも海賊だった......
ほら見て、
あそこで浴びるほど酒を飲んでるバカがいるでしょう?
そう、アレが私の命の恩人。
七都に師匠なんて呼ばせてるやつよ
あいつは元々は私の敵、
大切なものを奪った海賊の一人
命を救ってくれた理由は最近分かったばかりなの...
まあこの話はまた今度、
今の悩みは他ならぬ七都について
気づいたでしょ?
あの子のただならぬ雰囲気と
私たちには知りえない知識
最初は文化の違う島から来たんじゃないかって思ってたけど、
そうじゃないみたい
こんなこと有り得ないと思うかもしれないけど、
あの子は迷人だったの
私の故郷の言葉を借りるとすると、
来る道無くしたとき
心鎮めんと我迷わす
迷うた人間
それ即ち迷人となりて心と身体分離する
答え見つけしとき
めぐり逢いて
クムユ「あの子には、帰らなくてはならない場所がある」
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