第4章 .虚構の手紙
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カホ「その後、火は消し止められ数日後には七都ちゃんも目を覚ました
でも七都ちゃんはね、
一人だけ助かってし
まった
あの数時間の間に家族を失ってしまった
そのショックから、あの子は今植物状態なの」
ようやく分かった
あの子が火を怖がる理由が
私を姉のように慕ってくれた理由が
誰かを守りたいという強い意思の理由が
全てのパズルピースが今はまった気がした
クムユ「七都にも辛い思い出があったんだね」
初めて会ったとき、
そんな素振りは一度も見せなかった
思い出したくないからなのか
そもそも覚えていないのか
自分の兄弟が"生きている"かのように話している七都の姿が頭に浮かぶ
もしかしてあの子は
クムユ「記憶に蓋をしている?」
私と同じなのかもしれない
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