第4章 .虚構の手紙
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七都はね、病室で一度目覚めているの
目覚めて病院の先生の顔を見てさとってしまったわ
あぁ兄達は、私の家族は死んでしまった
独りぼっちになってしまった、と
あの子に現実を見せるのは早かったのよ
案の定、あの子はパンクしてしまった
耳が痛くなる、喉を痛める声で発狂した
そのあと、意識を失ってしまったわ
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カホ「ゆっくり、ゆっくりでいいから
あの子に現実を認めさせて欲しいの
まだ先のある人生を無駄にしてほしくない
大切な妹を失うことは
私にとって何より辛いことなの」
クムユの目を真っ直ぐ見つめ、はっきりと言った
それはきっと七都のことだけでなく、
クムユも大切な妹だという意味がこもっていたのだろう
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